2017年7月14日金曜日

オリバーストーン監督の「スノーデン」に鳥肌

 ロードショーでは見られない、数々の秀逸なドキュメンタリーベースの映画。「スノーデン」を見たいとずっと思っていたところ、小田原のお寺で上映会があると知り、見に行きました。
 エドワード・スノーデンは国家のために働きたいと軍隊に入隊、負傷して除隊します。その後CIAに勤務、最期はNSA(国家安全保障局)でITの才能を活かし、恋人を含め誰にも内容を話せない機密情報を扱う仕事をしていました。
 しかし、アメリカ政府による世界的な個人情報の収集、監視が秘密裏に行われていることに悩みます。ついに鉄壁のセキュリティーを突破し、イギリスのガーディアン紙に情報を提供しました。この時、2016年6月。全世界を震撼させました。命懸けの暴露によって、オバマ大統領(当時)もこのまま同じことは続けられないことを認めます。
 民間会社の情報をハッキングによって入手するなど、まさに「事実は小説より奇なり」の世界。サイバー攻撃が問題になっていて、大磯町をふくめ、多額の費用をかけて全国の自治体のセキュリティーの強靭化がされましたが、この映画をみれば人間が構築したものは人間が壊すことができることがわかります。まさに「マッチポンプ」です。
 「鳥肌がたった」のは、「アメリカが情報収集と監視のシステムを日本に渡した」ことです。内容を知ろうとすること自体が「特定秘密保護法」で罪に問われるかもしれません。共謀罪が委員会の中間報告だけで採択するなど、禁じ手を使って強行可決。あっという間に7月11日に施行。もはや民主主義国家とはいえない事態です。救済の仕組みがない共謀罪について、有識者は「警察を監視する第三者機関が必要」と。その通りだと思います。