2015年6月25日木曜日

選挙戦、3日目


 見上げる青空に透明な夏がありました。そして、そこに似つかわしくないものを目にしました。4発のエンジン、銀色の機体……P-1哨戒機です。大磯の空を飛ぶのをはじめて見ました。厚木基地から飛んできたものに違いありません。大磯の空を爆音を轟かせて飛ぶ軍用機は私の神経を尖らせます。

 今回の選挙はいつもと大きく違います。

「すでに実施された秘密保護法、これから施行が計画されているマイナンバー制、このふたつが組み合わさったら何が起こるでしょう」

 マイクを持って訴えると、「えっ」と振り向いた若い人がじっと耳を傾けてくれます。

「 秘密保護法により政府は国民の情報を独占しています。今、計画されているマイナンバー制が実施されると、私たちの家族構成、年令、財産、収入、健康に関する情報が把握されます。図書館で借り出した本から私たちの考え方さえも知られます。戦前、政府は徴兵検査により若者を兵隊に取りました。これからは徴兵検査をしなくても政府は兵隊の適格者を選ぶことができるようになります」

 日本はいつ戦前に戻ったのでしょうか。戦前元年ではありませんか。