2018年9月9日日曜日

Q. 東海大学が撤退したとしても他の医療機関が継続可能? A.保証はありません

 東海大提訴の件は、ミニコミ誌を含めた新聞報道もあって、町民の中にかなり浸透しています。
 先日、「東海大が撤退しても、別の病院になればいいんじゃないの?」という意見がありました。実は、話は単純ではありません。背景には医療費を抑制したい→ベッド数を減らしたい国策があります。
 中﨑大磯町長が病院長時代の14年前も、すでにその状況はありました。都道府県で病床数をコントロールしていて、当時私が県に問い合わせた結果、「そのままの移転はできない・まずはゼロになる」ことは分かっていました。
 しかし、中﨑病院長(当時)は平成16年9月17日付の要望の中で「町有地の使用許可が得られない場合」という項目の中で、「大磯病院の高度先進医療センター建設や建て替えは困難な状況となります。その結果として医療水準の低下と建物本体の老朽化は必須(※)であります。将来的には病院機能の縮小につながり、大学病院としての機能を保つ事は困難で、いずれは撤退し、他地域への移転を考慮せざるを得ません(※は原文のまま)と述べています。

県の担当者に一般論としての手続き論を聞いたところ・・・

神奈川県のホームページの「神奈川県の病床状況について」の「二次保健医療圏」について、担当者に聞きました。
 平塚、伊勢原、秦野、二宮、大磯の「湘南西部」圏域では基準病床数が4635床、既存病床数が4771床で、136床が「過剰」とされています。ある医療機関が廃院とした場合は「ベッド数を返上」。その後、どうするかは定期的に開かれる「地域医療構想調整会議」で議論するそうです。
 基準病床数は3年ごとに圏域の人口や年齢構成を考慮し見直しをかけているので、大磯病院の287床が、社会状況が変わらない限り「287-136=151」となり(東海大の前に廃院が無い限り)、「150床が必要か」の議論をすることになる、と私は理解しました。

 東海大・大磯病院は「中核病院」の位置づけで、地域医療に欠かせません。150床の病院になった場合、そもそもその機能を持つことができるのか疑問です。「中核病院」の必要病床数は「310床」です。
 話は単純ではないことがお分かりいただけたら、幸いです。