2018年8月13日月曜日

財政危機を反緊縮で乗り越える 大磯町はポルトガルに倣えるか

 興味深い記事がある新聞のコラムにありました。ギリシャ同様、財政危機に陥っていたポルトガルに左派政権が誕生。緊縮財政から一気に反緊縮財政に転じ、債務危機を脱出したという内容です。
 どうやったか・・・ある海岸のリゾート地をバリアフリー、砂丘保護と地域経済活性化を目的に公的資金を投入して、大規模な工事を行ったということです。木製のデッキ伝いに、車椅子で駐車場からビーチまで行くことができ、デッキの遊歩道は1キロにも及ぶ。遊歩道沿いのしゃれた飲食店で地元の若者が楽しそうに働いていたそうです。
 劇的な経済回復を見せたポルトガル。大磯町と重ね合わせることはできるのでしょうか?中﨑大磯町長は、みなとオアシス賑わい交流施設は「町民の長年の夢だった」といいます。夢が叶ったら、それから先は現実、それも厳しい現実が待ち構えています。
 確かに20年以上前から、港の活性化は懸案事項でした。北浜海岸に木製デッキを置く、水族館を作ったらどうか、などの構想が練られたこともありました。長い年月がたった今、夢と現実のすり合わせをしなければなりません。
 夢をみるのにお金はかかりませんが、現実にするにはお金(税金)がかかります。関心がない人がみても「それならいいと思う」といわれる施設建設と運営が求められているはず。大磯町の場合、どう考えてもそうはなっていないと思います。
 ポルトガルは、起死回生のしっかりしたビジョンを持って、税金投入を断行したのだと思います。国民の支持があったはず、と思います。結果が出ていると思います。コラム記事だけでは見えてこないことがあったとしても。
 「観光を推進しなければ町は立ち行かない」・・・呪文のように頭の中で巡る言葉になっていないでしょうか。建設する時点でうまくいかないのでは、という指摘を凌駕するような話はなく、長年の夢がかなった、だけでは実感も説得力もありません。むしろ、町民の不利益につながることを危惧します。
 例えば実現するのに20年かかったら、20年後の姿がはっきりみえる計画でなければならないと考える方は、たくさんいらっしゃると思います。